先日、京都に行ってきた。
京都に行ったのは、どのくらいぶりだろう。もしかしたら20年ほど経過しているのかもしれない。ついにGLMに訪問する時が来た。小間社長には貴重なお時間を割いて、一学生のために時間を取ってもらったことに感謝をしたい。
オフィスに着くと、物腰の柔らかな方が現れた。小間社長だ。
自己紹介を兼ねて、自分の事業計画を説明させてもらい、自分が今どんなことをやっているのかについて紹介させてもらった。質問もたくさんもらって、ハードウェアの開発状況やユーザーに対するプロモーション、どうユーザーを動機づけるのか、要素技術などためになるコメントももらえた。
小間社長について
小間社長は大学時代にすでに商才を発揮していた。ミュージシャンの人材派遣業に始まり、家電量販店の販売員、外資系メーカーとのセールスマーケティングの請負など、ビジネスを走らせながら派遣領域を拡大させてきたそうだ。パソナの南部さんとの出会いが大きかったようで、人との出会いは本当に大事だと思う。
小間社長は経営者としての感覚は生まれつきの才能と事業を行う上で磨き上げられる2つの要素があるとおっしゃっていた。経営者は世の中にたくさんいるけど、それぞれの個性があってパターン化するのは難しいのかもしれない。
そしてなぜ、自動車産業に参入しようと考えたのか聞いて見た。
「自動車を作ろうと思ったのは、ワクワクすることをやりたいと思っていたから。だって、自動車メーカーを立ち上げてつくるのってワクワクしないですか?」
事業について説明する小間社長は輝いて見えた。昨年の12月に移ったというオフィスはガランとしていた。でもそこで働く人や0からEV自動車を作り上げていくという思いを持った人で溢れたオフィスは、もしかすると日本の製造業が失いありつつある光景なのかもしれない。
スピード感
2010年にGLMを創業して、トヨタ自動車でレクサスの開発をしていた藤墳さんは周囲の反対を押し切って入社されたそうだ。2010年の10月から、少ない人数で試作を作り始めて12月には試作車を完成させてしまうスピード感にはとても驚いた。小間社長の藤墳さんに対する信頼感もヒシヒシと伝わってきた。
スタートアップにとって大切なのは資金集めもそうだが、いかに共感してもらえる仲間を集めるかだと思った。
戦略
GLMの戦略はシンプルだ。
とんがったものづくりを行い、しっかりと技術を蓄積するというものだ。3段階の戦略のステージを考えていて、現在、第2ステージに突入しつつある。小間社長の描く自動車産業の未来は、もしかすると現在の自動車産業とは全く違うものになっているのかもしれない。
企業文化
重礼積徳
これは会社で大切にしている言葉だそうだ。これは小間社長の作った造語で、言葉通り、徳を積んで礼を重ねていく。人との出会いが事業を成長させてくれた印象を話を聞いていて感じたことだ。
また、小間社長はこれまで、1つ1つマイルストーンを決めて小さな成功を積み重ねて来たとおっしゃっていた。PDCAを高速で自分自身や組織内で回すことで色々なハードルを乗り越えて来たのだと思う。
そして壁にぶち当たったら、とことん考える。どこがダメなのか、どうすれば良くなるのか、理解を得られるのか。考える姿勢はどの経営者にも共通している要素だとも思う。
ビジョンはあまり好きではないとのことだった。それは、言葉にしてしまうとチープな感じになってしまうのと、それに縛られるのが好きではないとの言葉も印象的だった。似たようなことを元Lineの社長の森川さんもそんなことをおっしゃっていたことを思い出した。
創業時の事業計画書を持って説明に行っても、なかなか理解を得られなかったことや、資金調達の苦労、品質のばらつきを無くすための生産管理(品質管理)、気になったことを聞いていたら、約束の時間はとっくに過ぎてしまっていた。
最後に試乗もさせてもらった、3秒で100キロにまで到達する加速性とステアリングの反応など、車に乗ることが本当に楽しかった。車の運転でこんなに楽しかったっけ?
こんな車を創ることができるのは本当に楽しいだろうなと。やっぱり、自分もものづくりの分野で勝負したいと思い、寒空の京都を離れた。
もしGLMの車に興味があれば、ぜひ宜しくお願いします。